活字生活

サンバが夏を〆くくる(『浅草においでよ!』こぼれ話)


今回で29回目となる“浅草サンバカーニバル”は、浅草の夏の最後をしめくくるイベントとして、すっかり定着した感がある。

またも直前になってしまったが、今年も浅草サンバカーニバルが開かれる。

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いつの間にか定着した感じだったが、以前から「なぜ浅草でサンバ?」という思いがあった。
浅草には、三社祭、ほおづき市、隅田川の花火、時代まつり、羽子板市と、一年中イベントが盛り沢山だが、日本文化を感じさせる行事に比べて、サンバだけは明らかに違和感のあるイベントだ。

公式ホームページによると、
「浅草といえば「江戸下町情緒」というイメージがありますが、実は大の新しもの好きなのが浅草ッ子の気質。(中略)そうした背景のなか、昭和30年代後半から40年にかけて、盛り場の中心は、他の地区に移っていきました。このような状況の中で当時の内山台東区長と浅草喜劇俳優の故・伴淳三郎氏が、浅草の新しいイメージをつくるものとして、ブラジルのサンバカーニバルを浅草のお祭りとして取り入れることを提案。これをきっかけに、浅草の商店連合会が主体となるサンバカーニバルが誕生したのです」
とある。

浅草サンバカーニバルは、浅草商連が強力にバックアップしているイベントなので、今年の『浅草においでよ!』で取材させてもらったとき、思い切ってその辺の経緯を聞いてみたいと思った。今年は浅草商連60周年で幹部の方々による座談会が企画されていたので、ちょうど良い機会だった。
誌面では1ページ分くらいにまとめているが、実際の座談会ではその何倍もの話を聞くことができた。150分ほどの座談会の中で、およそ50分近くがサンバカーニバルの誕生秘話。なにせ、ブラジル視察に参加した永野浅草観連会長(当時は浅草商連の事務局員)も座談会のメンバーだったから、誌面では書けないような苦労話を含め、色んな話を聞くことができた。

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サンバカーニバルを作った大きな要因としては、夏休みやお盆休みがある8月、当時の浅草には大きなイベントがなかったため、浅草に人の足を向かせたいという願望が強かったらしい。当時の浅草商連の資料を読むと、「若い人の街 浅草」をキャッチフレーズにするなど、寂れかけた街を何とか活性化したいという思いが感じられる。
当時区長だった内山栄一氏が、伴淳三郎に相談したところ「サンバっていうのは三社祭の熱気に似ている」と提案したらしい。
実際に伴淳三郎から提案があったかどうかは、永野会長も伝聞で聞いておりもう一つハッキリしないのだが、一部ネットで書かれている「兵庫県神戸市がすでに神戸まつりでサンバパレードを行っていたことから、浅草の商店街や観光連盟などが読売新聞社を通じて、神戸まつり関係者にコンタクトを取ってそのアイディアを浅草サンバカーニバルに流用したというのが真相であり、伴淳三郎の話は後づけ」というのは、少し間違っているようだ。
まず、浅草観光連盟は、当時は積極的に動いていない。これは、当時、浅草寺や関連寺社などが浅草にサンバを持ってくる事を嫌がり、浅草観連もそれに同意していたからだ。神戸祭りからヒントを得ていたとしても、神戸祭りのアイデアをそのまま流用するというほど、当時の浅草サンバカーニバルは完成度が高くない(笑)。

まぁそのへんの真偽については、すでに知っている人も少なくなりつつあり、今後どこかで機会があればじっくりと話を聞いてみたいと思う。

とにかく、浅草寺も浅草観連も消極的だった中で、浅草商連が主体となって実行委員会形式で浅草サンバカーニバルは誕生し、紆余曲折を経ながらも、いまでは浅草の夏の風物詩と成長した。

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そうそう。もう一つ、『浅草においでよ!』のこぼれ話があった。

同誌23ページには、サンバカーニバルの記事を入れてある。
今年は別の記事を書くつもりで原稿も用意していたのだが、ちょっとしたトラブルで去年の記事を流用した。

実は、印刷の直前になって、サンバカーニバルの公式ガイドパンフレットに書かれている「パレードの構成」に誤りがあったのだ。
『浅草においでよ!』の去年のサンバの記事は、公式パンフレットのデータをある程度流用させてもらって「パレードの構成」について記事を書かせてもらった。
で、今年の公式ガイドにも「パレードの構成」について去年と同じような解説が載っているのだが、これが去年から間違っていたらしい。けっこう大きな誤りだった(笑)。

そこで、急遽、『浅草においでよ!』の記事は「パレードの構成」にして、間違っている点を修正しようということになった。

どこが修正されているか興味のある人は、下の画像をクリックして確認してみてください。

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ということで、いつも情報が遅くなって申し訳ないが、運良くサンバカーニバルに出かける前にこれを見た人は、ぜひ参考にしてください。

今年のサンバカーニバルの様子については、僕も撮影することになっている。
明日以降、「浅草の風」に掲載するつもりだ。

【イベント名】浅草サンバカーニバル
【日時】2009年8月29日土曜日
【会場】浅草 馬道・雷門通りなど
【公式サイト】http://www.asakusa-samba.jp/


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『浅草においでよ!』H21年度版が発行


ということで、今年も何とか『浅草においでよ!』が発行された。

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「浅草においでよ!」平成21年度版

浅草商店連合会発行のフリーマガジン。
今年の企画ページの目次は……

■お笑いコンビ“ダイノジ”インタビュー
  浅草にはボクらの“憧れ”がある

■浅草エンタメ案内
  浅草演芸ホール/東洋館/浅草花月/
  木馬亭/木馬館/浅草公会堂/ほか
  出演者インタビュー:南海キャンディーズ

■浅草商連60周年記念座談会
 これからも、もっと「浅草らしく」

■外国人観光客も読める!
  ◆英語・中国語・韓国語による
   解説ページが新たに登場!
   外国から来た観光客の皆さんも
   楽しめるようになりました。

■ほか
  ◆浅草催事かれんだぁ
  ◆浅草サンバカーニバル

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クリックすると大きな画像になります


企画記事のページのほかに、浅草にある約1300軒の商店の「店名」「電話」「住所」「地図」が載ってて、巻末には浅草の各店舗で使えるお得な「クーポン券」もついてる。

僕は、この企画記事の、構成・取材・文・デザイン・一部撮影を担当。
今年も、明日以降、それぞれの記事についてもう少し詳しく紹介する「取材こぼれ話」をこのブログで書く予定。

浅草の各施設、店舗など、浅草中で無料配布しているので、良かったら手にしてください。


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烏賀陽さんが裁判で勝利!


なんだかお盆になって、ようやく夏らしい陽気に見舞われている。
こちらは相変わらずゆっくりする暇もなく、スクーターを走らせても汗が出てくるような中を走り回っている。

それでも昨日は、久しぶりに疲れが取れた。
このところ、夜もゆっくり寝られず、だからといって日中に昼寝をする余裕もなく、ずっと疲れが取れない日が続いて、いつも夜寝る前になるとかなり調子が悪かったのだが、昨日は昼寝も出来て夜もしっかりと寝られたため、随分と楽になった。
ちょうどかなり長かった髪もサッパリと短く切ったので、気分も爽快。陽気は厳しいくらいだが、今日は心身とも元気いっぱい。

それにしても、つくづくと無理が利かない年齢になったと実感する次第。

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さて、このブログを休んでいる間に、ちょっと報告をしておくべきことがあったので、遅ればせながらご報告。

これまで何度かお伝えしてきた烏賀陽さんの裁判(オリコンが烏賀陽さんに言いがかりをつけて不当に高額訴訟を起こしていたもの)が実質的に勝利する形で和解した。

詳しく説明する余裕がないので、ぜひ「うがやジャーナル」を読んでください。

この裁判の勝利の意味は、ジャーナリストや表現の自由にとっては大きなもので……というか、そもそもこんな裁判を起こす事が大問題で、勝利する事は当然なわけだが……、少なくとも国民が持つ権利が後退する事がなかった意義というのは、日本の民主主義にとってとても重要なことだった。

ということで、また書ける機会があれば書きたいと思っているが、同じようにジャーナリストたちの正当な活動に対して、裁判を利用して圧力をかけるという悪質な手法が増えている。
今回の勝利は一つの分岐点ではあるが、こういう風潮がなくならない限り、安心は出来ない。

皆さんも、ぜひ注目していてください。



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ワークショップの講師なんかもやってたりする


度々書いてきているが、僕は表立っては出版の編集者という肩書きなんだけども、まぁ色んな仕事をやっていたりする。

色んな事をやっているため、よく知らない人からは、僕がどんな職能の人間なのか、今ひとつ分かってもらえない事が多い。大雑把に言えば別にまったく違う分野というわけではなく、どれも出版や広告の仕事と繋がっている事なんだけども、まぁ仕方ないかも知れない。子どもたちや家族ですら、実際に僕がやっている仕事を理解していないと思う。

で、昨日もいつもとはちょっと違う仕事だった。今回はそんな仕事を紹介したい。

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二足歩行ロボットの格闘技で、「ROBO-ONE」」というイベントがある。日本はもちろん、世界的に見ても割と大きなイベントとして有名だが、まぁテレビ中継されているわけではないので、ロボットに興味のない人は知らないだろう。

おもちゃのバンダイ、「ガンダム」を作っているサンライズ、ロボット精密機械メーカーの近藤科学など、国内のロボットと関係する企業たちが協賛金を出し合って運営しているイベントで、日本全国で二足歩行ロボットの競技会を開いている。

何で僕がこのイベントに絡んでいるか、話すと長くなるので割愛するが、まぁイベントのときにフロアディレクター的な手伝いをしている。要するに、現場における何でも屋さんだ。

18日〜20日までの3日間、有明のパナソニックセンターで、『2009夏!ロボットサミット』というイベントが開かれ、その中でROBO-ONEの大会も開かれていたのだが、別の仕事で忙しかったので3日目の昨日だけ手伝ってきた。

といっても、今回は途中参加だったこともあり、いつものようにフロアディレクターではなく、パナソニックセンターで開かれた「親子でロボットを作ろう!」というワークショップの講師役。

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「ロボット」といっても、TAMIYA製のボクシングファイターというキットを使って組み立てるだけなので、プラモデルを作るようなもんだ。
およそ1時間半ほどで組み立てられる簡易キットだが、小さい子どもだけだと少し難しいので、お父さん、お母さんが奮闘する場面も多かった。

僕は、作り方のポイントとなるところを説明したり、組立説明書では分かりにくいところをフォローしたり、あるいは組み立てが難しいところを手伝ったりするだけで、実は講師というほど偉そうな事は何もしてない(笑)。

組み立てると、下の写真のようにボクシング型の格闘技ロボットが出来あがる。

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そう言えば、僕も昔からかなりガンダムが好きだけども、ガンプラにはハマらなかった。プラモデルはたくさん作ったが、もっぱらお城シリーズ、江戸の街シリーズ、屋台シリーズなんてジオラマ系のプラモデルばかり組み立てていた。
正直言うと、今でも自らロボットを組み立てる気にはなれない。
ROBO-ONEはとても面白いイベントだからこれからも関わって行くだろうが、選手として出る気にはならないだろう。この辺は、昔からプレイヤーになるよりも裏方の方が好きだった現れなんだろうと思う。

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上の写真は、今回のROBO-ONEに出場したロボットたちの記念撮影。
後ろに若いお姉さんが二人写っているが、こちらはROBO-ONEガールなので、ロボットではない。念のため。

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今回のように親子参加型のイベントを手伝っていると、たびたび親子のワークショップなどを手伝うことがあり、こんな事も僕の仕事の一部だったりする。
ということで、今回はいつもとは全然違う仕事の紹介でした。

ROBO-ONEについては、また改めてお知らせするので、もしタイミングが合えば、一度ぜひ遊びにきてくださいな。


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間もなく、貧しく、美しく


ある編プロにどうしてもと頼まれて、他人がデザインしたデータの修正を請け負った。

本来はこういう仕事はお断りしているが、すでに色校正が上がっていて、明日の朝までに直して再入稿しないといけないにもかかわらず、デザイナーさんに連絡が取れないと言う。僕も他の仕事で忙しいが、困っている時はお互い様なのでまぁ仕方ないと思って引き受けた。

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編プロに行って、AB版2ページ(見開き)の色校正のゲラを見ると、それはとてもプロが創ったとは思えないデザイン・レイアウトだった。

例えば、改行が適当でバラバラだ。
クライアントから来るデータは、いい加減な作り方である事が多い。本来は原稿整理の段階で編集者が直すべきだが、原稿整理なんてしない編集者も増えている。そうしたいい加減な原稿をデザイナーがそのまま流し込んでしまったんだろう。

あるいは、「ジャスティファイ」という機能を使っていないために、1行1行、行の長さがバラバラだ。
そういうデザインを狙っているなら理解できるが、テキストデータとバックの画像がタイトに組み込まれているデザインなので、デザインのコンセプトから見て、狙ってバラバラにしているとは思えず、絶対におかしい。いい加減に考えて配置されていのだ。

版面もめちゃくちゃだ。
柱は、裁ち落とす際に切れてしまう可能性がある場所に配置されている(小口裁ち落としから約2mm)。
また、いわゆる「無線とじ」と言われる製本の雑誌だが、ノドから5mmくらいのところに文字が配置されているために、雑誌として仕上がった時にその部分は読めないか読みづらい(しかももう片方のページは、ノドから10mmくらい空いている)。

これはパッと見て気がついた事であり、細かく見ればおかしい点はまだまだ書き足りない。僕が日常で付き合っているデザイナーたちにこのデザインを30秒ほど見せれば、10人中10人が同じような指摘をするだろう。それほど基本的な事で、パッと見るだけで気がつくことだ。

あまりにも酷いので、デザインをできるだけ活かしながら、レイアウトはすべてやり直すことになった。

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断言するが、僕はこの仕事を担当したデザイナーをプロとは呼ばない。この仕事ぶりを見れば、僕が仕事を依頼する事はないだろう。

それでも編プロは「まだフリーランサーになって数カ月だけど、それまで1年間は編プロで有名な版元の雑誌を担当していたし、なかなか良いデザインする有望なデザイナーなんだ」という。

なるほど、バックに使っている素材などは、僕のセンスにはない。
ただ、そもそもバックに使っている素材は、どこかの素材集から借りた画像を単純に配置しているだけだし、こんな程度のデザインは、正直言って気の利いた素人でも出来る。
仮に、都立高校に通いながらデザインの勉強をしている僕の娘が作ってきても、たぶん駄目出ししただろう。実際つい最近も、「版面」がいい加減だったデザインに対してアドバイスをしたばかりだ。
あるいは、僕が広告制作会社で働いていた頃に、若いデザイナーがこれを作って先輩のところに持って行けば、ビリビリに破られて作り直しをさせられているかも知れない。
そういうレベルだ。

ただ僕に言わせれば、今回のトラブルについて、デザイナーの責任なんてほとんどない。
はっきり言って、これは編集者もしくはディレクターの責任だ。
色校正が出るまでに、何度か校正ゲラを確認しているらしい。その時点で、こんな初歩的で重大な欠点に気がつかない方がどうかしている。

もし本気で有望なデザイナーだと思っているなら、仕事をしながら基礎的な技術についてきちんと教えて育ててあげるべきだ。自分でそれが出来ないなら、ベテランのデザイナーさんに別の仕事で割りのいいギャラを払ってでも、若いデザイナーさんを育てることもお願いすべきだろう。あるいはギャラを半分に分けて、間にフリーランスのベテランのディレクターを入れて、若いデザイナーが足りない点をフォローしてもらったっていい。
仮にそれで編プロの利益が少なくなったとしても、それが出版業界の、人材への投資の一つの在り方だ(少なくとも昔はそうだった)。

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以前、この編プロを経由して広告の仕事をしたときも、撮影した写真がクライアントの要望に応えられず、スッタモンダした。最初からちゃんとしたカメラマンに頼めば無事に済んだにもかかわらず、「安物買いの銭失い」のようなカメラマンを手配したために起きたトラブルだった。

その仕事の時、僕は同時進行していた仕事が忙しく、うっかりメールを読み飛ばしてしまったことがある。
そもそも、「忙しいから」と断ったのに、「どうしても」と頼まれたから請け負った仕事だ。先に請け負った仕事を片付けてしまおうと、そっちの仕事に集中していた時に届いたメールだった。しかも、用件をまとめてメールをよこす人ではなく、何か思い立つと数行のメールを頻繁にくれるタイプの人だった。

メールのやり取りの中で、僕がつい「スケジュールがタイトなので、こちらではミスがあっても責任とれないので、きちんと校正を見てください」と送ったら、「言われなくとも、編集者が校正を見るのは当たり前で、そちらに責任転嫁する気はない」とプライドを傷つけてしまったということもあって、そんな僕の態度が気に入らなかったのかもしれない。
(余談だが、事前の雰囲気で危険を察知して指摘したのだが、実際に校正をろくに見ていないのは、今回のデザイナーの仕事ぶりを見れば明らかだ)

まぁ僕のミスは間違いないので、文句を言われても反論できないのは仕方ないが、やはり忙しい時に信頼関係のない編集者と仕事をするのは危険だと痛感させられた。

ところが、前述したように撮影した写真がスッタモンダしてトラブルになったとき、クライアントと編プロから相談されて、大事にならない方法で事を収め、最終的にはデザインを含めて気に入ってもらった広告に仕上げたために、編プロの態度も一変した。
お陰ですぐに別の仕事を依頼されたが、他に進めている仕事があるので断った。

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ギャラは安い、スケジュールはタイト、校正はろくに見ていない、素人のようなスタッフたちばかり、信頼関係もない。
僕の20年の経験では、広告でも出版でも、そういうやり方では良いものは出来あがらない。

前のカメラマンの時のトラブルも、今回のデザイナーとのトラブルも、つまらないことで余計な予算とエネルギーをかけるくらいなら、どうして端っから、ちゃんとしたギャラでちゃんとしたフリーランサーに依頼しないんだろうか?

ちゃんとしたフリーランサーというのは、例え少しくらい安いギャラでも、その編集者との信頼関係が出来ていれば請け負うものだ。
技術があれば、時間の許す限りタイトなスケジュールにも応じてくれるだろう。
経験によって危険を察知できるため、版元や編プロにとって耳の痛いと思うような指摘もズバズバと言うだろうが、それによって助かる事も多いはずだ。
頼まれれば、若いフリーランサーと交流を持ったり、アドバイスを送る事も惜しまないだろう。

もちろん、安いギャラで若いフリーランサーたちにチャンスが与えられている事を全面的に否定する気はない。むしろ、そういう若いデザイナーが成長するためにも、きちんとした目を持った編集者や、ベテランのフリーランサーの存在が、何よりも大事なんだと思う。

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「間もなく、貧しく」だけを最優先にするやり方は、結果として出来の悪い出版物を世に送りだしているだけで、出版文化に貢献しているとは思えない。「美しさ」がなければ、出版物としての完成度は高まらない。
世の中に出回っている出版物を見回しても、大手版元の雑誌や大手企業の広告ですら、腹立たしくなるほどレベルが低いものを見受けるようになった。
そんな出来の悪い出版物が、読者の活字離れを加速させる一因となっていると僕は考えている。

インターネットに比べてスピード感で圧倒的に劣る紙媒体だが、「読みやすさ」「視覚デザインの幅の広さ」は出版物の利点の一つであり、webデザインよりも勝っている点が多い。
にもかかわらず、出来の悪い読みづらい出版物を世の中に出すというのは、出版業界の自殺行為だ。

出版不況はたしかに構造的な問題が多いのだが、「活字離れ」「インターネットの普及」のせいにしているだけでなく、現状のシステムの中であっても、金を払うだけの付加価値を加えられていない原因を編集者たち自らが作り出しているという実態を、もっと客観的に受けとめるべきだ。

そして、版元や編プロがつねに「間もなく、貧しく、美しく」を求めるときに、それを創り上げるフリーランサーに対して、何を与えてくれるんだろうか?
時間も予算も出せないなら、せめて知恵を出してほしい。

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このブログ、最近は知り合いで読んでくれている人が増えてきているみたいだ(その割りにコメント少ないけど……)。ここで書いた編プロも見ているかもしれない。もし見ていたら、もう仕事の依頼は来ないだろう。
それは仕方がない。

ただ一つ言いたいのは、僕はその編プロの事だけを批判したくて書いているわけではない。
こういう仕事が確実に増えてきているという現状を、出版業界の他の人にも知ってほしいと思ったから書いた次第だ。

こんな僕ですが、良かったらぜひ仕事ください。


 ♪子ども騙しのぉモンキービジネス〜
  粋がったりビビったりして ここまで来た〜♫


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出版研究集会のおススメ


僕が所属している出版ネッツは、出版労連という出版労働者の団体が上部団体になっている。
その出版労連が、毎年6月〜7月に「出版研究集会」という研究会を開いていて、一般の人も参加可能なので、今日はそのお知らせ。

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※上の画像をクリックすると、PDF画面にジャンプしますので、プリントしたい人はぞうぞ。

出版関係者にとってはどれも興味深いテーマだと思うが、僕が個人的にお薦めするのは、6月25日の「グーグル集団和解の問題点〜著作権の、今何が問題なのか〜」と、6月26日の「〜知ってますか?隣の人の働き方〜下請法を使って権利を守る」の2本だ。
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「グーグル集団和解」というのは、知っている人も多いかもしれないが、簡単に説明すると、検索ポータルサイトなどを運営しているグーグルが、書籍や雑誌などの著作物をデータベース化してネット上で公開し、そこで得た収益を著作者に還元するということを、アメリカの著作者団体と結んだ和解のこと。
で、アメリカのことだけなら、アメリカが勝手にやってくれればいいんだが、この和解には、アメリカの著作物に限らず、日本などで発行された著作物まで含まれていて、ベルヌ条約という条約を締結しているすべての国の出版著作者は、勝手に集団訴訟の仲間扱いされて、その和解に同意したことになっている。

もちろん、自分は和解したくないという人もいる。
ところが、この集団和解から離脱したければ、自分で手続きをしないといけない。勝手に和解しておいて、和解した人間たちが自分たちの著作物だけを許可するのではなく、和解したくない人間が、いちいち自分の著作物を和解離脱のリストの中に登録しなくてはならない仕組みになっている。

もう少し詳しく知りたい人は、下記にサイトを参考にどうぞ。

■出版労連声明「Googleと米国出版社協会および著作者団体の和解合意について」
http://www.syuppan.net/modules/news/article.php?storyid=76

■日本ビジュアル著作権協会「グーグル書籍検索和解案からの集団和解離脱に関して」
http://www.jvca.gr.jp/oshirase/oshirase20090430_1.pdf

■出版流通対策協議会(流対協)のまとめサイト
http://homepage2.nifty.com/ryuutaikyo/top_contests.htm#090420

要するに、僕の著作物を今後グーグルが勝手にアメリカのネット上で公開しても、文句を言えないってことになってしまう。
僕がこれまで印税契約した本なんて3冊しかないし、あまり関心は高くなかったが、ためしにこれまで関わった雑誌・ムック・書籍などを、グーグルの和解離脱の登録ページから検索してみた。この検索で引っかかったものは、グーグルのデータベースの対象になっていることになる。
で、調べてみると、印税契約をしていなくても、自分が関わった書籍が結構出てくる。印税契約していなくても著作権は自分にある場合もあり、意外とデータベースの対象になっていることが分かった。

出版関係者は、印税契約していなくても、自分の関わってきた出版物を検索してみるといいと思う。
サイトはhttp://www.googlebooksettlement.com/

僕は、著作物というのは、著作権者の権利侵害にならないように配慮した上で、適度に解放されるべきだと考えているんだけども、それにしても、今回のグーグルとアメリカの著作者団体の和解というのは自分勝手な行為だと腹が立っている。

まぁ単純な話ではないので、グーグルの狙いは何で、著作者にとってのメリット・デメリットはどこにあるのか、今後何が問題点となっていくのか、その辺をじっくりと整理するためにも、6月25日の分科会はぜひお薦めしたい。

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もう一つは、「下請法」についてだ。

以前から、このブログでもある程度の回数をかけて、しっかりと下請法について解説したいと思っているが、なかなか実現できなかった。
とにかく、出版フリーランサーは、クライアントの無茶な要求や不利な契約内容があったとしても、この「下請法」によって保護される可能性がたくさんある。
以前、mixiで知ったかぶりをした人から「自由競争、自由契約が基本の資本主義国家である日本の経済活動なんだから、個人事業主だろうと自己責任だ」と議論を吹っかけられたので、下請法について説明したんだが、意外に下請法について知らない人が多い。長い間フリーランスをやっている人の中にも、誤解している人がいるようだ。

いずれ、本当に解説するつもりではいるが、僕のことだからいつになるか分からないので、もし興味のある人は、ぜひ6月26日の分科会に参加してほしい。
ちなみに、この日の分科会は、出版ネッツの担当分科会なので、フリーランサーがたくさん集まると思う。

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仕事の具合にもよって全部に参加できるか分からないが、少なくとも上で薦めた25日と26日の分科会には参加するつもりだ。

そろそろ、次の仕事で忙しくなりつつある。
ちょうど「浅草においでよ!」の今年度版も動き始めた(8月初旬発行予定)。

この夏は、大いに仕事をしようと思う。


ということで、出版研究集会の会場でお会いできるのを楽しみに。

 ♪会いたい いますぐ
  会いたい とても〜♪




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大河ドラマ『天地人』の特別展示会……の図録


最近、浅草以外の仕事を紹介していないんで、何か出版物でもと思っていた矢先に見本誌が届いた。

今年のNHK大河ドラマ『天地人』に関連して、六本木の東京ミッドタウンにあるサントリー美術館で、「天地人展」という展覧会が開かれている。

この図録の制作に携わった。

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90年代頃から、どうもNHKの大河ドラマも面白みに欠けてきたというか、良作と駄作の差が激しくなった気がする。ただ、大河ドラマっていうのは、最初はつまらなくても後半に驚くほど面白くなることもあるので、開始当初に面白くないと思って全部を見なくなったとしても、ところどころチェックしたり、あるいは総集編的なもので追うことにしている。
だから僕としては、三谷幸喜作品だっていうことで見続けた2004年の『新選組!』以来、久しぶりに大河ドラマを見続けているのが、今回の『天地人』だ。

最初は、妻夫木聡の台詞回しの下手さにどうなるかと思ったが、ようやく3月頃、ドラマとしては最初の盛り上がりである、上杉家のお家騒動「御館の乱」くらいからドラマの出来も落ち着いてきて、面白くなりつつある。
主人公である直江兼続は、実際にはもっと知的で思慮が深く、あるいは狡猾なことも平気できる人物だったと思うが、典型的な可愛い現代っ子の顔をした妻夫木聡が、これからその辺をどう消化しながらドラマを進めるのか、楽しみの一つだ。

最近の大河ドラマの傾向でもあるが、本来の歴史のダイナミズムを物語の表面だけに利用して、話の核を主人公とその周辺に集中させることになっていくのか。それとも、あまり女性には受けが良くないようだが、かつての大河ドラマのように、スケール感の大きな作品になっていくのか。
過去に駄作だと思わせた大河ドラマは、その辺のバランスが悪いという共通点がある。原作や脚本の本質的な面白さ、役者のキャラクターと演じる役柄の距離感など、演出家がこれらを見極めながら、どちらの方向に持っていくのか、大河ドラマの演出の妙味でもある。昨年の『篤姫』は、幕末という視聴率の上がらない時代背景を考慮して、徹底的に主人公である篤姫と、演じる宮崎葵のキャラクターにクローズアップしていった。そのお陰で、宮崎葵を見慣れているNHK視聴者や若い人をひきつけて、視聴率も好調だったようだ。それはそれで作品の出来としては良いのかもしれないが、話の展開がメロドラマ的になりすぎてしまったため、幕末というもっとも面白い時代のダイナミズムは失われてしまい、4月か5月頃には見るのをやめてしまい、面白そうな回と総集編だけ見ていた。

「天地人」の場合はまだ、どっちに転がしていくのか今ひとつ方向性が見えないのだが、どちらになっても成功する可能性はあると思う。せっかく半年見てきたんで、これからもっといい作品に仕上がってほしい。

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ということで、サントリー美術館で開かれている「天地人展」では、直江兼続や上杉家で使用されていた鎧甲冑、武具、刀剣から、屏風絵、書状、巻物、着物、調度品など、様々な歴史的文化遺産を数多く展示している。

その展示品や解説を一冊にまとめた「図録」で、一応「本文デザイン」という肩書きになっている。実際には、何人かの若手のデザイナーさんやオペレーターさんたちが活躍してくれていて、僕はいつものように「オッケー係」みたいなもんだ。
「アートディレクター」なんて言い方もあるが、そんなに立派なもんじゃなくて、実際、僕が一人で仕上げたページなんて、たぶん数ページ程度だし、僕が作ったラフのまま進んだのも、ノンブル(ページ番号)と柱と、コラムのデザインくらいじゃないかな(笑)。名前の載っていない若い人たちの力があってこその作品だった。

興味のあって「天地人展」に行かれた人は、会場で販売していると思うので、よかったら手に取ってみてください。

 天地人展「天地人―直江兼続とその時代―」
 東京展期間:2009年5月30日(土)~7月12日(日)
 東京展会場:サントリー美術館
 東京展入館料:一般1300円(前売1100円)、
        学生1000円(同800円)、中学生以下無料
 新潟展期間:2009年7月25日(土)~9月6日(日)
 新潟展会場:新潟県立歴史博物館
 新潟展入館料:一般1000円(前売700円)、
        学生700円(同500円)、中学生以下無料


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 NHK大河ドラマ「天地人」 完全ガイドブック 2009年NHK大河ドラマ NHK大河ドラマ「天地人」 完全ガイドブック 2009年NHK大河ドラマ
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今度の週末は、浅草でスタンプラリーでもいかが?


数日前の記事でも少し触れたが、今週の土日、浅草の浅間神社前では「お富士さんの植木市」が開かれる。
写真が撮れれば改めて詳しく紹介するので、とりあえず詳しく知りたい場合は、→浅草観音うら一葉桜振興会のサイト←を参考にどうぞ。
毎年、5月末と6月末に開かれており、今年は今週末と6月27〜28日に開かれる。

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今度の日曜日の浅草は、もう一つイベントがあって、それが「隅田川水面の祭典」。
こちらは隅田川の浅草側、東武線の鉄橋から桜橋までが会場となって、水上スキーや水上バイクのエキシビションが開かれるらしい。

それ以外はよく分からないイベントなんだが、11時30分頃〜15時頃に開かれているとのこと。

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で、その二つのイベントを結びつけるのが、「浅草・隅田川散策ラリー」。
雷門前にある「浅草文化観光センター」をスタート地点にして、「水上バス乗り場」→「水面の祭典会場」→「今戸神社」→「お富士さんの植木市」→「奥山おまいりまち」→「雷門田原」の順に7カ所を巡って、再度「浅草文化観光センター」に戻って時間内にゴールすると景品と交換してくれる。

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上の画像は、当日配られるスタンプシート。クリックすると大きな画面になるので、参考までに。

このスタンプシートは、先日、急遽デザイン頼まれて僕が作ったもの。まぁデザインと言うほどのものじゃないけども……。
スタンプシートは、「浅草文化観光センター」でしかもらえないので、必ず「浅草文化観光センター」からスタートしてほしいとのこと。くれぐれもお間違いなく。

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ということで、今週末は、「読書サロン」で泊まり込みをして、昼に戻って急いでお富士さんの植木市にかけつける、という強行日程。
それまでに紹介できる本を見つけなきゃいけないし、全然暇じゃないぞっ。

なんてことを考えて、いま外を見たら雨が上がっていた。
去年、エンジンではなくベアリングがいかれて、突然動かなくなったオイラのポンコツスクーターは、その後とうとう潰れちまった。今月、新しい相棒が届いたが、その話は来月になってから。

せっかく雨あがりの朝焼け空だけど、新しい相棒に乗ってる余裕はない……。


【PostScript】
RCのライブは本当に楽しかった。ライブと言うより、まるでパーティのようだった。そう、パーティという言葉がよく似合っていた。そして「雨あがりの夜空に」は僕たちのパーティに欠かせない定番ソングだった……なんて湿っぽい締め方は臭くて似合わないので……
今日もビンビンにキメて、ぶっ飛んで朝飯作るゼ!
オ〜ルァイっ!


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つんどく……だけでは済まされない


先月半ばから今月半ばまでかなり忙しかったが、今年はそれ以外も割と忙しく過ごしていることが多い。
暇だったのは4月の初めから半ばまでで、あとは何だかんだと忙しかった気がする。

そんな忙しさもようやく落ち着き周りを見渡すと、仕事部屋中、机中が書類や本、雑誌、ゴミの山だった。さらにパソコンもデータが散乱していたり、不必要で余計なものがたまっている。メールも未読が1000通近く……。
毎度のことながら、忙しさの後の整理は苦労する。

ということで、この数日、片付けをしていて、今日は散乱していた本や雑誌がようやく片づきつつある。

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いつ頃からか、「いつか読もう」と山積みにしておくだけで読んだ気になることを「積読(つんどく)」と言うようになった……と思っていたら、この言葉、実は明治時代に普及した俗語らしい。明治に普及した言葉だとすると近代文学の世界などには出てくるのかもしれないが、残念ながら僕は文学青年ではなかったし、1〜2年前まで知らなかった。

音の響きもいいし、たしかに「積んどく」だけで満足できる部分もあって、なかなか秀逸な俗語だと思う。
僕の場合、映画や芝居の関係の出版物、雑誌、劇場パンフレットなどは、買っておくだけで一度も開かないで何年も経つことが多い。とりあえず買っておかないといけない気分になるけど、書いてあることはパラっと見れば大凡見当がついてしまったり、あるいは急を要さないので後回しにしたり……。
まぁとにかく、僕と同じような仕事をしている人は、十中八九、「積読」の本が常に机や書棚に積まれていることだろう。

仕事の資料も含めて、いつも数冊の書籍や雑誌を並行して読んでいるが、読むべき本がたくさん貯まっていても、買おうと思う本はすぐに買っておくことにしている。
仕事の資料などで「この本は1回読めば十分」という場合だったり、よほど値段が高くて手が出ない場合だったり、そういう時は図書館で借りるが、基本的には読もうと思う本は買う。
もちろん仕事でいただいたり、取材経費として買えることもあるが、本が売れないという時代に、せめてそこで稼いでいる人間として買えるものは買わないと、出版業界内デフレ・スパイラルだ。
結果的に一度読めば十分だった本もあるので、贅沢と言えば贅沢かもしれないが、買いたい時に買ってとりあえず山積みにしておくと、数カ月先か数年先か分からないが、いずれは読むことになるので買っておく意義は十分にある。

という思いで、この数カ月で買って貯まったのが上の写真の本。
後ろの雑誌と合わせると、約40冊も「積読」になっていた。

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鞄に入っている読みかけの3冊を合わせると、1日1冊読んでも簡単には片付きそうにない。しばらくは新しい本を買ってる暇もない。

ただ、あんまり悠長なことを言ってられない。

実は、出版フリーランサーの仲間数人が「読書サロン」なる読書会を月一回開いていて、そこに参加している。とくに決まった本を読むとか、テーマが決まっているとかではなく、自分が読んだ本で紹介したい本について感想を語ったり、自分なりに解説するというゆる〜い読書会だ。自分が仕事で関わった本を紹介してもよく、そういう場合は出版裏事情も聞けるので、フリーランサーとしては有意義な情報交換になる。
ライターや編集者や校正者など参加者の職能も多様だし、それぞれ得意分野も違うので、自分の知らない本に出会うことがあり、お互いに刺激になっている(と思う)。

僕は毎月出られるというわけではないが、この会のお陰で、とにかく月1冊は人に紹介できる本にたどり着くようにしよう、と目標を持つことができた。それまでダラダラと本を読んでいたが、こういう目標を持つと読書にも気が入る。相手が出版フリーランサー、しかもほとんど僕よりも先輩たちというのも、僕にはとても勉強になるところだ。

で、その「読書サロン」で今週末に泊まり込みの読書会を開くことになっている。泊まり込みと言っても、僕以外は呑ん兵衛ばかりなので、要するにそれを口実に終電を気にせずに酒を飲もうということなのだが、それでも数冊は持って行かないと格好がつかない。

ところが、最近の既読した本の中には紹介するような本はなかった。
あと1日半、積読の中から紹介できる本は見つかるだろうか。
暇になったはずなのに、何だか忙しないなぁ……。

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オッケー係


以前も書いたかもしれないが、職業を尋ねられたら「出版の編集をしています」と答えている。
ただ、もともと広告の仕事をしていたんで、今でも少しだけ広告の仕事が入ってくる。

広告の場合、ディレクション、デザイン、コピーライティングとか横文字の業務となることが多いが、ディレクションは出版で言えば編集だ。
出版の編集も「雑用係」と言い換えることができるほど雑務が多いが、広告のディレクターというのも雑務が多い。雑務だけでなく、実に幅広い仕事を依頼される。

もちろん僕の場合は紙媒体の広告制作を依頼されることが多いが、それ以外に、ある時はイベントの現場の仕切り役だったり、ある時は雑誌の撮影でスタジオやロケ先の現場監督だったり、そのほか諸々、出版の編集のように打ち合わせやデスクワークに関連した雑務だけでなく、現場に出ての雑務が多い。
こないだの記事でも「一時期、音楽プロモーションの仕事をしていた」と書いたが、これだって、実際にはレコーディングのスタジオで延々と座ってお茶お濁していたり飯の用意をしたり、ライブやイベントの手配をして現場ではアーティストの世話を焼いたり、言ってみればマネージャー兼ローディみたいなもんだ(実際、あるCDのジャケットには「荷物係」とクレジットされたこともある)。

で一昨日は、仕事仲間のピンチヒッターとして、録音スタジオのナレーション録りに立ち合ってくれと急遽頼まれた。

そこで、このブログでは「活字生活」というカテゴリーで、自分の仕事や仕事仲間の作品を紹介しているが、今回は「ディレクター」という仕事の、ホンの一端を紹介したい。

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さて、今回もいつもと同様、現場に立ち合って何をするかと言うと……、あまり大したことはしていない(笑)。
一つひとつの作業に対して「オッケェで〜す」と素っ頓狂な声で現場を盛り上げる。そして、「お疲れさまぁ〜」と他のスタッフやナレーターに声をかける。

お調子者がおちゃらけているように見えるかもしれないが、実はこれ、結構重要だったりする。そして僕の「オッケェで〜す」は、結構現場を明るくしている(と思う)。

ディレクターにしても現場監督にしても編集者にしても、結局はスタッフや周りの人たちがちゃんと働いてくれないと何も出来ない。僕は、ディレクターや編集者というのは、スタッフやアーティストたちが、気持ちよく仕事を進めてくれるのようにするのが、何より大切な業務だと確信して仕事をしている。

最近は、広告はもちろん、出版界でもどっちを向いて仕事をしているのかわからない編集者が増えてきた。
最近の出版物は、普通の雑誌に見えて実は企業のプロモーションだったり、広告クライアントの意向に沿った記事の合間に編集部の好きなことを書かせてもらうスペースがあったりと、広告費の存在なしには成り立たない出版物が多い。だから広告も出版もクライアントの意向は重要になってくる。
僕は広告出身だから、今さらそれを否定するつもりなんてまったくない。広告で飯を食ってきてるんだから、クライアント様々だ。

ただ、現場に入れば別。
いい作品(=いい広告)を作るために、クライアントにご機嫌をとるよりも、現場のスタッフたちに気持ちよく仕事をしてもらう方が、結果としてクライアントのためになるはずだと確信している。
少なくとも、事前の打ち合わせになかったクライアントの急な意向を現場に押し付けるときは、クライアントに十分配慮しながらも、それでも現場のスタッフがスムーズに事を運べるように、再度段取りを按排よく組んで、いざ作業に入る時には、みんなに気持ちよく仕事をしてもらう。

だから、作業が始まってしまえばあんまり余計なことは言わず、多少の軌道修正をしながら、出来あがったものに責任を持てる仕上りになりさえすれば、あとは「オッケェで〜す」とOK係に徹していればいい。

僕の場合、ディレクターや編集者としてではなく、一スタッフとして仕事を依頼されることもあるので、そういう立場になって見ていると、編集者が迷いながら仕事をしていたり、どこを向いて仕事してるかわからないようなディレクターだったりすると、とたんにスタッフ全体のテンションが下がるのが分かるし、結果としていいものは出来あがらない。

ということで、今回も、録音スタジオのエンジニアさんや、ナレーションを担当してくれたタレントさんに気を配りながら、「オッケェで〜す」「お疲れさまぁ〜」とお調子者を演じ(?)きって、無事仕事が終わった。

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ある仕事で、途中で馬鹿馬鹿しくなって投げ出そうかと思うほど、面倒なことがあった。何人かの編集スタッフが、それぞれ好き勝手なことを言ってくるため、こちらが混乱していた。正直言うと、最後まで付き合って仕事を納めたら、スタッフ一覧から僕の名前を外してもらうつもりだった。
もちろん、そんな露骨な抗議をすれば、その仕事先から二度と仕事の依頼は来ないだろう。それでも「これが俺の仕事だって世間様に告知する気になれない」と言いたかった。

だが、仕事の終盤、「今回はご迷惑をかけてしまってスミマセンでした。本当にありがとうございました。全部終わったら、みんなで打ち上げやりましょう!」と編集スタッフの一人から言われ、深々と頭を下げられた。

だから気が済んだというわけではないが、こうやって頭を下げられれば、もう「俺の名前は外してよ」とは言えない。
少なくとも、まぁギャラも悪くないし(ここ重要)、もう一度仕事を頼まれれば引き受けるだろう。

結局、こんなちょっとした会話だけで、スタッフたちの心が晴れたり沈んだりするもんだ。
自分自身の肝に銘じるためにも、書き記しておきたい。


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