【週刊 石のスープ】相馬市で出会った少女の素顔
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■伝える責任を負う覚悟
最初に被災地を訪れた頃は、まだ自分自身が取材するという意識はほとんどなく、記者仲間たちを車で送り届けるつもりだった、という話はすでに書いた。
しかし、いざ被災地に行ってしまえば、やはり自分自身も聞きたいことが出てくるし、写真に収めたいという感情が自然と湧き上がってくる。話を聞いてしまい写真を撮ってしまえば、それを伝えなければいけない、責任が生じる。
正直に言うと、3月16日に最初に水戸に行き、その後仙台に行ったとき、僕には、取材してそれを伝える覚悟が出来ていなかった。いま振り返って当時の録音を聞き返すと、迷いながらインタビューしていることがよく分かる。覚悟が出来たのは、3月23日に再び仙台に行ったときだったと思う。この日は一人で仙台に行き、一人で市内を取材した。事前に東京で情報を仕入れ、津波被害の大きかった若林区にあるフリースクールを訪れた。フリーランスとしてとくに専門分野を持たずに、いろんな仕事をしてきているが、教育現場の取材はずっと続けている。この震災を通して、学校や教育機関がどんな役割を果たし、そこで何が起きていたのか、子供たちにどんな変化があるのかを見て、それを伝えることならば、僕なり取材した責任を果たすことができるんじゃないかと考えたからだ。
そうして取材を始めた矢先に、渋井さんから5月早々に書籍を作るから一緒に書かないかと誘われた。「ニコニコニュース」編集長の亀松太郎さん、ルポライターの西村仁美さんなどよく知る人たちと、戦場ジャーナリストの村上和己さんと5人で手分けするという。
それが、「3.11 絆のメッセージ」(東京書店)だ。
すっかり前置きが長くなってしまった。今回は、同書で紹介したある姉妹の話……。
■避難所を点々としながら450キロも移動
福島県相馬市の磯部地区。3月11日、広大な田んぼ一帯を津波が襲った。
磯部で生まれ育った……
※この後の記事(小見出しのみ紹介)
■突然の再会
■生きていくことに必死だった
■7か月も経って知った素顔
【おまけコーナー】
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