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『浅草においでよ!』H20年度版より【5】

「浅草においでよ!」平成20年度版より

縁ある噺家が語る、浅草の魅力

三遊亭歌る多 柳家小里ん インタビュー[その4]


昨今の落語ブームで、落語を聴きに浅草へ訪れる人が増えている。
そこで、浅草にお住まいの柳家小里ん師匠と三遊亭歌る多師匠に対談をお願いした。
落語ブームについて、そして浅草の魅力やお薦めの楽しみ方など、浅草をよく知るお二人から、興味深い話を聞くことができた。──

この記事は、『浅草においでよ!平成20年度版』に掲載された記事を、一部加筆・修正して転載したものです。

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■落語に出てくる昔の情景を思い浮かべながら
■浅草を散歩する

——お二人から、この『浅草においでよ!』の読者の皆さんにお薦めする浅草の楽しみ方というのがあれば、ぜひ教えていただけませんでしょうか?

歌る多 最近は着物ブームっていうのかしら、着物を着る方も増えていると思うんですけど、浅草にくれば頭の天辺から足のつま先まで、全部揃いますから、そういう楽しみ方で浅草に来る人もいるんじゃないかしら。

小里ん 銀座の呉服屋だとか違って、高級じゃない物が揃うっていうのもいいんだよ(笑)。

歌る多 桁が一つくらい違うかも知れませんね(笑)。お店の人も親切ですから、着物に慣れてなくって何となく興味を持ってるだけで浅草に来ても、安心して一式揃えることができちゃうのは、すごく有り難いと思いますよ。

小里ん 僕は、やっぱり観音裏の雰囲気が好きなんですよ。歩って風情を感じるだけでもいいんだよね。何となく花街の艶っぽさもあって、それでいて落ち着いた雰囲気っていう感じだね。旨い店を知ってればそこに行きながらでもいいし、旨い店を見つけるためでもいいんだけど、そうやって何かを食べに行ったついでに、観音裏を散歩でもしてくれれば楽しんでもらえるんじゃないかな。

——落語の噺のなかで浅草の風情が出て来ることもあると思うんですが、浅草の街が出てくるお薦めの噺はありますか?

歌る多 私が最近、好んで高座にかけているのは『悋気の火の玉』ですね。浅草の花川戸に店を構える堅物の旦那が根岸にお妾さんを作るんですけど、嫉妬する本妻さんとお妾さんが火の玉になって、竜泉にある大音寺の上でぶつかり合うんです。

小里ん 場面として浅草が出てくる噺はいくつもあるけど、浅草じゃないと絶対に駄目だって噺っていうのは、実はそんなに多くないんだよね。そういう意味じゃ、『付き馬』なんていいんじゃないかな。吉原から浅草までの様子を説明しながら噺を進めていくわけだから、浅草の情景を知るって意味じゃ面白いよね。

——お二人の『悋気の火の玉』や『付き馬』を聴いてから、当時の浅草を思い浮かべながら散歩するのも楽しそうですね。最後に読者に向けて一言メッセージをお願いします。

歌る多 浅草にお寄りの際には、ぜひ演芸ホールにも足をお運びください。

小里ん 寄席には色んな楽しみ方があるんで、まぁ気軽に楽しんでいってください。


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『浅草においでよ!平成20年度版』については、→こちらをクリック←

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本年度最新の『浅草においでよ! 平成21年度版』は、浅草商連加盟店、浅草各駅、浅草文化観光センターなどで配布しています。


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