『浅草においでよ!』H20年度版より【4】
「浅草においでよ!」平成20年度版より font size>
縁ある噺家が語る、浅草の魅力 font size>
三遊亭歌る多 柳家小里ん インタビュー[その3]
昨今の落語ブームで、落語を聴きに浅草へ訪れる人が増えている。
そこで、浅草にお住まいの柳家小里ん師匠と三遊亭歌る多師匠に対談をお願いした。
落語ブームについて、そして浅草の魅力やお薦めの楽しみ方など、浅草をよく知るお二人から、興味深い話を聞くことができた。── font size>
この記事は、『浅草においでよ!平成20年度版』に掲載された記事を、一部加筆・修正して転載したものです。 font size>
■浅草で暮らしているからこそ分かる
■浅草の魅力
——話は変わりますが、お二人とも幼い頃から浅草という街をよくご存知なわけですが、生活者として、浅草の魅力というのはどういうところでしょうか?
小里ん 僕なんかは、催し物が多いってことが一番だね。東京で育った人っていうのは、昔から変わらない山があったり川があったりっていうことは、ほとんどないじゃないですか。だから、子どもの時から変わらないっていうのは、季節毎の祭事だったり催し物ってことになるんだよね。浅草は、そういう変わらないことが多いんですよね。三社祭があって、ほおづき市があって、羽子板市があってなんてね。毎年全部に行くわけじゃないけど、いつでも催し物の近くにいて、「お、今日は植木市がやってるな」っていって顔を出したりするのが、僕は好きだね。
歌る多 私が感じるのは、住んでいる人たちの昔からの気質っていうかしら、生活している人たちの関係が、すごく緩やかでいいんですよ。うちの大家さんにはとても良くしてもらってるし、近所には小里ん師匠のような大先輩がいらっしゃるし、下町に暮らしている人たちの暖かさっていうのが、本当に居心地がいいんですよ。
小里ん ほかの繁華街と違って、住んでる人がたくさん残ってるっていうのが大きいよね。銀座だ新宿だってとこに比べると、そこに住んで、そこで仕事してるって人が多いでしょ。長く住んでて、そこで仕事してる人がいるから、新しく引っ越してきたりとか、よそから来た人に、優しく対応してやりたいって思うだろうし。遊びに行くだけとか、仕事をしに行くだけの街だったら、生活者との繋がりとかできないでしょ。
——たしかに浅草に住んでいる方たちって、昔から住んでいる人が多いから繋がりも強いですね。
歌る多 師匠といっしょに仲見世とか歩いていると、あちこちから声かけられるんで、まっつぐ歩いていられないですから(笑)。三社祭の時に師匠の家にお邪魔すると、こっちがセキュリティを心配しちゃうくらい、色んな方が自由に出入りしてますもの。師匠のお宅だけじゃなくて、皆さんのお宅で、そういう自由な行き来というか、お付き合いがあるんですよね。
小里ん 僕はずっといるから、あんまり意識しないけど、一時はさ、酔っぱらいだとか怪しい奴が多かったりして、「夜になると歩くの怖い」なんて言われて、若い人に嫌われちゃったこともあるかもしれないけど、最近は六区のあたりもきれいになったし、雰囲気も随分よくなったね。
歌る多 以前の浅草は夜が早くて、寄席が終わってからちょっとどこかに行こうって思っても、なかなかお店がなかったんですけど、最近は女の人や若い人でも、割と気軽に立ち寄れるお店が遅くまでやっててくれるし、外から浅草にくる方も、随分来やすくなってるんじゃないでしょうかね。
小里ん 一時期、「浅草って寂れたでしょ」なんて言われたけど、仲見世なんて寂れたことないんだよね。観光客なんて一年中来るんだから。寂れたのは、映画に来る客が少なくなった六区の辺りだったんだよね。でも、ROXができたり、若い人向けの店ができたりして、また最近になって盛り上がってきてるよね。
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