『浅草においでよ!』H20年度版より【2】
「浅草においでよ!」平成20年度版より font size>
縁ある噺家が語る、浅草の魅力 font size>
三遊亭歌る多 柳家小里ん インタビュー[その1]
昨今の落語ブームで、落語を聴きに浅草へ訪れる人が増えている。
そこで、浅草にお住まいの柳家小里ん師匠と三遊亭歌る多師匠に対談をお願いした。
落語ブームについて、そして浅草の魅力やお薦めの楽しみ方など、浅草をよく知るお二人から、興味深い話を聞くことができた。── font size>
この記事は、『浅草においでよ!平成20年度版』に掲載された記事を、一部加筆・修正して転載したものです。 font size>
やなぎや・こりん
東京都浅草出身。1969年、柳家小さん(五代目)に入門し、小多けと名乗る。1974年、二つ目に昇進し小里んに改名。1983年、真打ち昇進。古典の滑稽話を得意とし、風貌やしゃべり方が師匠である先代小さんをどこか忍ばせる。とくに「廓噺」に定評がある。自身も吉原文化を研究し、頭の中で当時の情景を思い浮かべ街並を再現すこともできるという
さんゆうてい・かるた
東京都南千住出身。1981年、國學院大學を中退し、三遊亭円歌に入門。1993年、女性初の真打に昇進。男視点で描かれている古典落語を、女性が演じても無理がないように解釈し見事に演じる。とくに「悋気の火の玉」など、女心を扱った演目は目の肥えた寄席の客からも高い評価を受ける。落語家としての活動のほか、講演や司会業などでも活躍
——今日は、お時間をいただきましてありがとうございます。まずは、浅草に縁ある師匠の二人が、落語の世界に入られたキッカケを教えていただけますでしょうか?
小里ん そりゃ、落語が好きだってことしかないね。両親が、芝居だとか映画だとかと一緒に寄席演芸も好きで、小さい頃から連れてってもらって。とくに落語が好きになってね。僕の家は浅草の寿町ってとこなんだけど、人形町の末広って寄席が好きだったから、そこで落語を聴いてたんだよね。僕が子どもの頃の浅草には、演芸ホールもなかったし、落語の寄席がなかったんですよ。松竹演芸場っていうのがあったけど、伝助さん(大宮敏充=喜劇役者)が出てたり色物の寄席だったし、昭和20年代後半、新宿末廣亭の出店があったけど、2〜3年でやめちゃって。昭和39年に浅草演芸ホールが開業するまでは、浅草に定席の寄席はなかったんですよ。
——歌る多師匠は、もともと南千住のご出身ですが、やはり、子どもの頃から寄席に通って落語家を目指していたんでしょうか?
歌る多 昔は日曜になると、父が自転車で浅草に連れてきてくれましたけど、寄席に連れて行ってもらったことはないんです。高校の時、いただいたチケットで銀座博品館劇場で落語を聴いたのがキッカケで落語の興味持つようになって、落語会や寄席に通うようになったんです。大学に入った頃には、どうしても噺家になりたくて、失敗するなら若いうちの方がいいって、大学1年の時、大学を中退して入門しちゃいました。親は反対したんですが、私って向こう見ずなところがあるから、「こうったらこう!」って思い込んで、とにかく噺家になろうって決めちゃったんですよ。
——歌る多師匠は、女性で初めて真打ちになられましたが、当時はまだ女流落語家そのものが珍しかったですよね?
歌る多 私が入門する前にも女性の噺家はいましたけど、私が入門した頃は一人でしたから、男ばかりの世界で当時は苦労したこともありました。それから少しずつ増えてきて、とくに最近になってずいぶん増えて、東西合わせて30人弱くらいかしら。とくに最近になって増えてますから、もしかしたら、もう30人超えてるかもしれませんね。
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本年度最新版『浅草においでよ! 平成21年度版』は、浅草商連加盟店、浅草各駅、浅草文化観光センターなどで配布しています。
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