おい! チャリンコ!!
昨日、浅草で打ち合わせをして、次の約束のために移動している途中、目の前で小さな事故が起こった。
言問通りの交差点で、信号横断中の自転車同士が衝突した。
僕はちょうどスクーターで信号待ちをしている時で、本当に目の前で起こった事故だった。
それほど強い衝撃という感じじゃなかったんで、最初は「あらあら、ぶつかっちゃったよ」と見ていたんだが、ぶつかって倒れたお年寄りが、数秒経っても動かない。
ぶつかった相手も一瞬、気にかけていたようだし、僕を含めて周りの人も、最初は僕と同じような反応だったが、道路に俯せになって動かないから、慌てて駆け寄った。
少しの出血と軽い脳しんとうだったんだろう。
その後、警察と救急車を呼んで、倒れたお年寄りも何針か縫った程度で済んだようだ。
ただ、ぶつかった相手は、僕や周囲の人が倒れていたお年寄りに駆け寄っている間に、どこかへ行ってしまった。
お陰で、警察に事情を聞かれるなどがあったが、まぁそれは良いとして……。
「おい! チャリンコに乗ってた奴!
どっちが悪いか別にして、
他人とぶつかったのに、
勝手にどっか行くな!!」
とにかく、最近は自転車に乗る人間のマナーの悪さが目に余る。
すべての自転車運転者は、車道であろうと歩道であろうと、「道路を車両で走るってことは、自分はもちろん他人の生命や健康を害する恐れがある行為だ」ってことを自覚すべきだ。
僕は、数年前から考えているんだけども、自転車も免許制もしくは認可制にすべきだと思っている。
運転免許ほど面倒でなく試験などは必要ないが、自分の住んでいる警察署で運転マナーの講習を受けて、自動車免許と同じような顔写真付きの免許証を発行してもらう。小中学生は学校で発行すればいいし、それ以上の年齢と未就学児童はすべて警察署か市町村の役場で、ちゃんと講習マナーを義務づけて、自転車に乗る場合は免許証を携帯させることを義務づける。
交通違反をして警察に見つかれば、きちんと反則金を払う。数年に一度は免許更新の手続きをして、マナー講習も受ける。交通違反が多い人は、免許停止や免許取り消しなどの行政処分をうける。
自動車や二輪の免許証を持っている人はそのまま利用できるが、当然ながら自転車で行政処分を受けて免停になれば、車や二輪にも乗れない(ちなみに現行でも、自転車で行政処分を受けると、自動車や二輪も同じように処分対象となり、その期間は免許も取得できない)
これくらいの義務は必要だと思う。
僕は、朝方、6時から7時くらいの時間帯に、よく国道17号線(中山道)をスクーターで走っているのだが、この数年、自転車で通勤する人が増えていることが実感できる。
僕の知人にも自転車族はたくさんいるし、僕もスクーターに乗らない時は“おばチャリ”で上野から銀座や神保町あたりまで出かけるので、自転車運転者を一方的に責めるつもりはない。
が、しかしである。
最近の自転車運転者は、あまりにもマナーが悪い。
スクーターや車に乗っていて、いつも危ないと思っているのは、道路の逆走だ。
自転車であろうと荷車、馬車、人力車であろうとも、車両である以上、車道を走る際には左側通行をしなくてはならない。ところが、とくにオジさん、オバさん、子どもなど、たぶん車をあまり乗らないと思われる人たちは、何十キロも出す車やバイクの正面に向かって、自転車で平然と走ってくる。
最近よくニュースで、認知症のドライバーが高速道路を逆走してしまう事例が話題になるが、自転車で逆走する人たちは他人事ではない。自転車の逆走もそれと同じだけ危険な行為だ。
こういう人は、自動車を運転する人がどういう注意を払っている頭ないから、歩道から車道に出てきて、しかも駐車車両の影からいきなり車線を超えて出てきたりする。車の時よりも、とくにスクーターで走っている時がとくに危なっかしくて、スクーターは道路の中央より左端を走らないといけないことになっているので、トラックの影からいきなり自転車がこっちに向かって現われると、正面衝突しそうになる。
僕は一般の人よりも運転技術はある方で、しかもスクーターに乗る時は、けっこう安全運転を心がけているから今のところ事故にならなくて済んでいるが、僕ですらいつ自転車と事故になるか分からない不安が増えている。若いバイク乗りやサンデードライバーの人たちによる、自転車との接触事故は今後も増える一方だろう。
もう一つ、自転車運転者で気になる、というか気に入らないのは、信号無視だ。
前述したように、僕が朝方、広い国道をのんびりと走っていると、多くの自転車通勤をみかける。僕が制限速度(時速30キロ)なんかで走っていると、あっという間の速さで抜かしていく自転車も多く、毎回、5台くらいは時速30〜40キロ以上のスピードで走っているのを見る。
そういう原チャリ以上のスピードで走っている自転車通勤族だが、まともに信号を守っているのは、その1割りにも満たないだろう。
車やバイクは、信号があればほとんど全員が、信号や交差点の大小に関わらずきちんと信号を守る。しかし自転車運転者は、大きな信号ならいざ知らず、小さな路地と交差する信号なんて、ほとんどの人間が赤信号を無視して走っていく。
もちろん、徐行運転しながら信号無視しているのだが、ほとんどの車が徐行しているからって信号無視したら、一体どんな道路事情になるだろうか?
僕は、自転車の逆走と信号無視は、本当に悪質な道路違反だと思う。
もちろん、それ以外にも道路のルールやマナーを理解していない、あるいは無視しているのを見かけることもある。
いまもこうした交通違反によって事故は増えている。
こうした状況を改善するために、自転車運転の認可制・許可制は有効な手段だと思う。少なくとも、早急に、警察などが自転車運転者に対してもう少ししっかりと指導すべきだ。
その上で、もっと自転車運転者の立場に立った道路行政も進めなくてはいけない。
実は、自転車運転者だけを厳しく取り締まっても問題が解決するわけではなく、もっと根本的に、例えば自転車専用道路を作るとか、自転車を利用しやすい環境整備が絶対に必要だ。
昨日、偶然目の前で起きた小さな事故も、大事にならなくって良かったと思う。
ただ、事故が小さかったのは偶然だ。
普通に走っている自転車同士がぶつかる衝撃は、物理学的な数値でいえば、打ち所によって人が死んでもおかしくないものだ。
昨日、倒れた人を放置していった相手の自転車運転者は、言ってみれば「当て逃げ」だ。
自転車にしてもバイクにしても車にしても、いつだって事故の危険性はある。僕だっていつ事故を起こすか分からない。どんなに注意を払っていても、事故の危険性はなくなることはないし、運転者である僕には事故を起こしてしまうことについて、偉そうなことは言えない。だからこそ、事故は起こした後の対応が大事になってくる。
昨日の事故そのものについてどちらの責任が重かったのかは、僕が判断すべきことではないが、少なくとも人にぶつかったら、自分が悪くなくったって相手の様子くらい確認すべきだ。まして、相手が倒れて動かなくなったのを放置するなんて、以ての外だ。
こんなのは、交通ルールだの法律だのの以前に、人として問題があることなんだが、最近は社会人として問題ある奴が多い世の中でもある。
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