つんどく……だけでは済まされない
先月半ばから今月半ばまでかなり忙しかったが、今年はそれ以外も割と忙しく過ごしていることが多い。
暇だったのは4月の初めから半ばまでで、あとは何だかんだと忙しかった気がする。
そんな忙しさもようやく落ち着き周りを見渡すと、仕事部屋中、机中が書類や本、雑誌、ゴミの山だった。さらにパソコンもデータが散乱していたり、不必要で余計なものがたまっている。メールも未読が1000通近く……。
毎度のことながら、忙しさの後の整理は苦労する。
ということで、この数日、片付けをしていて、今日は散乱していた本や雑誌がようやく片づきつつある。
いつ頃からか、「いつか読もう」と山積みにしておくだけで読んだ気になることを「積読(つんどく)」と言うようになった……と思っていたら、この言葉、実は明治時代に普及した俗語らしい。明治に普及した言葉だとすると近代文学の世界などには出てくるのかもしれないが、残念ながら僕は文学青年ではなかったし、1〜2年前まで知らなかった。
音の響きもいいし、たしかに「積んどく」だけで満足できる部分もあって、なかなか秀逸な俗語だと思う。
僕の場合、映画や芝居の関係の出版物、雑誌、劇場パンフレットなどは、買っておくだけで一度も開かないで何年も経つことが多い。とりあえず買っておかないといけない気分になるけど、書いてあることはパラっと見れば大凡見当がついてしまったり、あるいは急を要さないので後回しにしたり……。
まぁとにかく、僕と同じような仕事をしている人は、十中八九、「積読」の本が常に机や書棚に積まれていることだろう。
仕事の資料も含めて、いつも数冊の書籍や雑誌を並行して読んでいるが、読むべき本がたくさん貯まっていても、買おうと思う本はすぐに買っておくことにしている。
仕事の資料などで「この本は1回読めば十分」という場合だったり、よほど値段が高くて手が出ない場合だったり、そういう時は図書館で借りるが、基本的には読もうと思う本は買う。
もちろん仕事でいただいたり、取材経費として買えることもあるが、本が売れないという時代に、せめてそこで稼いでいる人間として買えるものは買わないと、出版業界内デフレ・スパイラルだ。
結果的に一度読めば十分だった本もあるので、贅沢と言えば贅沢かもしれないが、買いたい時に買ってとりあえず山積みにしておくと、数カ月先か数年先か分からないが、いずれは読むことになるので買っておく意義は十分にある。
という思いで、この数カ月で買って貯まったのが上の写真の本。
後ろの雑誌と合わせると、約40冊も「積読」になっていた。
鞄に入っている読みかけの3冊を合わせると、1日1冊読んでも簡単には片付きそうにない。しばらくは新しい本を買ってる暇もない。
ただ、あんまり悠長なことを言ってられない。
実は、出版フリーランサーの仲間数人が「読書サロン」なる読書会を月一回開いていて、そこに参加している。とくに決まった本を読むとか、テーマが決まっているとかではなく、自分が読んだ本で紹介したい本について感想を語ったり、自分なりに解説するというゆる〜い読書会だ。自分が仕事で関わった本を紹介してもよく、そういう場合は出版裏事情も聞けるので、フリーランサーとしては有意義な情報交換になる。
ライターや編集者や校正者など参加者の職能も多様だし、それぞれ得意分野も違うので、自分の知らない本に出会うことがあり、お互いに刺激になっている(と思う)。
僕は毎月出られるというわけではないが、この会のお陰で、とにかく月1冊は人に紹介できる本にたどり着くようにしよう、と目標を持つことができた。それまでダラダラと本を読んでいたが、こういう目標を持つと読書にも気が入る。相手が出版フリーランサー、しかもほとんど僕よりも先輩たちというのも、僕にはとても勉強になるところだ。
で、その「読書サロン」で今週末に泊まり込みの読書会を開くことになっている。泊まり込みと言っても、僕以外は呑ん兵衛ばかりなので、要するにそれを口実に終電を気にせずに酒を飲もうということなのだが、それでも数冊は持って行かないと格好がつかない。
ところが、最近の既読した本の中には紹介するような本はなかった。
あと1日半、積読の中から紹介できる本は見つかるだろうか。
暇になったはずなのに、何だか忙しないなぁ……。
■
| 固定リンク
「a.写心雑記」カテゴリの記事
- 2013年3月11日14時46分(2013.03.12)
- ナンデスカマン(2012.11.07)
- ちょっと写真を公開(2011.04.10)
- 責任のとり方として、朝青龍の引退は当然(2010.02.04)
- 今年もダラダラと一年が始まる(2010.01.02)
「c.活字生活」カテゴリの記事
- 『あまちゃんファンブック』が発売されました。(2013.08.28)
- 2013年3月11日14時46分(2013.03.12)
- 【イベント告知】東日本大震災 取材報告会〜岩手篇(2012.11.25)
- 『週刊金曜日』増刊号を編集しました(2012.10.03)
- 【告知】「風化する光と影」〜継続する僕らの取材報告〜file01-宮城篇(2012.06.17)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント