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今年最後の浅草イベント……〈羽子板市〉

12月17日から本日19日まで、浅草の浅草寺境内にて「羽子板市」が開催されている。
一昨日は雨だったので、昨日夕方、浅草の用事があるついでに浅草寺まで足を伸ばしてきた。
今年は平日だったせいか、僕が行った18日の夕方にはあまり混雑する事もなく、ゆっくりとお店を回ることができた。

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浅草寺には、毎年師走の18日に「納めの観音」と呼ばれる縁日がある。これは以前「ほおづき市」の「四万六千日」でも紹介したように、観音様の縁日となっている。まぁ一年で一番最後なので「納め」らしいが、他の縁日と大きく変わる事はないようだ。
で、この縁日に合わせて、浅草では17日と18日に「歳の市」が開かれていた。
日にちは多少前後するが「歳の市」は全国で開かれていているものと、基本的には同じような習慣なんだろう。世田谷の「ボロ市」も歳の市だし、某スーパーマーケットの「年末・歳末・歳の市」なんていうキャッチフレーズが今でも残っている、あの「歳の市」だ。
浅草寺では、お正月の飾り物や縁起物を買う市が立っていたようで、現在も浅草寺の公式行事として、17日〜18日を「歳の市」とし、18日を「納めの観音」として縁起小判などを配っている。

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そして、この「納めの観音」や「歳の市」と一緒に開かれているのが「羽子板市」だ。浅草寺の2つの公式行事とは異なり、東京歳の市羽子板商組合という団体が、17日〜19日の3日間で主催している。

浅草のイベントは、実は色んな団体が色んなイベントを並行して行っている事が多く、この3日間も「納めの観音」「歳の市」「羽子板市」とそれぞれの言い方があり、たぶん詳しく知らないと同じように思ってしまうだろうが、微妙に違う。例えば、今日19日に浅草寺で縁起小判をもらおうとしても、多分もらえないはず。その辺は、浅草観光の際に注意しないといけないところ。

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羽子板遊びは、もともと宮中や公家の間で楽しんでいたものだったようだ。「邪気を跳ね返す」というところから、とくに女の子の成長を祈願するという意味も込められていたらしい。
日本では、お宮参り、食い初め、初節句、七五三など、子どもの成長とともに行う行事が数多いが、昔は子どもの無事な成長を願う気持ちが強かった証。そうした思いから、羽子板遊びも始まったのだろう。

江戸時代に浅草寺で開かれていた歳の市で、女の子の縁起を願って正月の縁起物として羽子板が売られていた。そのうちに羽子板を買って女の子や若い女性に贈るのが流行するようになり、徐々に羽子板を扱う店が増え、今では羽子板を売るのが主流になったという。昭和25年以降、「羽子板市」として開催されるようになった。
江戸末期は、浅草に芝居小屋が集まっていたり、吉原や浅草花柳界も華やかだった。そのためためだろう、人気のある役者の舞台姿を描いた羽子板は女性に大人気だったと言われている。

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男の僕が自分で買う事はほとんどないのだが、僕的にお薦めの買い方は、「豆板」を買い集めること。
毎年とはいわないまでも、数年に一度、「豆板」と言われる6寸ほどの小さな羽子板を買って、徐々に増やしてコレクションしていく。

羽子板は、今でいえば言ってみれば人気アイドルのポスターみたいなもんだ。もっと言えば、パソコンや携帯電話の壁紙って感じかな? とにかく、神事や祭事にまつわるものではないので、いつまでも部屋に飾っておくことができる。酉の市の熊手などと違って、一年経つとご利益がなくなるというものではない。
大きな羽子板を1つ飾っておくのもいいが、何年かかけて、小さな豆板をいくつも集めて飾るなんてどうだろうか?

上の写真のお店は、豆板専門のお店。豆板は他の店では2000円くらいから売っているが、こちらは5000円からなので少し高級の豆板。それでも、数万円もする大きな羽子板よりもかなりお手頃な価格だ。

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ちなみに、羽子板市で売られている美しい飾り付けがされている羽子板を「押絵羽子板」と言うが、江戸時代末期から明治時代にかけては、多くが、ここ下谷界隈で作られていたらしい。
震災や戦争の空襲を受け、現在では北関東で作られているものが多いそうだ。
写真の職人さんは、埼玉の春日部から来ていると話してくれた。

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「歳の市」が終わると、いよいよ年の暮れという気がする。
今年も後わずかだが、年内にやっておかなくちゃいけない事は、まだまだ残っている。
師走とはよく言ったもので、毎年の事ながら年末は慌ただしい。


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