『浅草においでよ!』文珍さん取材こぼれ話
この記事は、実は「浅草においでよ!」のこぼれ話として、9月2日頃に書いたものだったが、書いている途中で忙しくなったため、「未公開設定」のまま公開せずに埋もれてさせてしまっていた。
約3か月も経ってから、先ほど未公開になっている事に気がついたのだが、せっかく書いたのにもったいないので、書いた時の時間設定のまま公開したいと思う。
[2008年12月10日]

文珍さんへのインタビューは、急に入った取材だった。
2年ほど前から、浅草の「雷5656会館」で、吉本興業による「浅草花月」というイベントが毎週末開催されていたが、この7月から第4金曜日は「浅金寄席」(せんきんよせ)という落語専門の寄席を開くことになっている。
そこで、急遽それを紹介しようということになり、文珍師匠に取材することになった次第。
編集部から「今度の土曜の夕方に時間作ってもらうことになったから」という連絡をもらったのが水曜日の午後。予習をどうしようかなぁ、音源持ってたっけなぁ、などと考えながらネットを徘徊していると、なんと当日水曜日は、国立劇場で文珍さんの独演会の楽日。電話で問い合わせると当日券が数席だけ残っているということで、急ぎ時間を調整して、国立劇場までスクーターでひとっ走り。
この独演会は、「リクエスト寄席」と銘打って、その日の客から舞台上でリクエストをとり、その演目を披露するという企画。前日まではリクエストは2つだったらしいが、この日は楽日ということで、3つの演目すべてをリクエストで受け付けるというサービスっぷり。
舞台いっぱいの大きなボードに、文珍さんの持ちネタがずらりと50本ほど書かれていただろうか。その中から、手を挙げた客が指名したリクエストを受け、「七段目」「地獄八景亡者戯」「商社殺油地獄」の3本が選ばれた。
僕としては好きな演目である「愛宕山」を文珍さんで聴いてみたかったが、ほかのお客さんたちのリクエストが多く、僕が手を挙げるか迷っているうちに決まってしまった。
いやはや、それしても、その日のリクエストで3本とも決めるっていうのは、かなりすごい事だ。
「う〜ん、たしかに体力と精神力を使いましたねぇ。まぁああいう事で、お客さんが参加する気分を味わってくれて、皆さんが喜んでくれればって思って試みたんですけど、やっぱり疲れますねぇ」
取材の際に、余談として独演会のお話を振ったところ、やりきったという感慨を滲ませながら話してくれた。このサービス精神は、さすが!と言わざるを得ない。
若い頃からテレビで活躍されていた文珍さんは、この数年とくに高座に力を入れており、去年から今年春にかけて、全都道府県での独演会ツアーを実施したばかり。4月には大阪で10日間連続公演を成功させた。
今回の高座、前述したように難しい挑戦だったと思うが、とても軽妙で噺の上手いところを見せてくれた。自信があるからこその企画だったと思うが、やはりさすがの高座だった。
「繁昌亭」の設立をはじめ、最近の上方落語は勢いを感じる。昨年から今年にかけて放送されたNHK朝の連続ドラマ「ちりとてちん」の影響もあるだろう。僕も2年ほど前から再び落語を聴くようになったが、以前に比べても、上方落語の今の勢いは本当にすごい。
生で高座を聴くのは機会も限られるので、あくまでもテレビやDVDで見る事が中心だが、上手い!と感じさせてくれる噺家さんが多い。文珍さんもそうだが、上方の噺家さんたちは、上手くて品がある。このあたりは、歌舞伎役者にも通じるところがあるが、江戸と上方の文化や気質の違いの影響が大きいのだろう。
余談だが、このブログからリンクしているブログ『和、輪、話』の1go1exさんが、「ちりとてちん」の公式ガイドブックの編集をされたこともあり、子どものとき以来だったと思うが、半年に渡ってほぼ全話を見続けた。「ちりとてちん」が、久しぶりに面白い朝ドラだったということも付け加えておく。
来週の金曜日は、文珍師匠が出演される「浅金寄席」の第2回目。僕もうかがう予定だ。
とりあえず、しつこいようですが、いよいよ「浅草においでよ!」が発行されました。
浅草文化観光センターをはじめ、浅草の至る所で無料で配布されていますので、見かけたらぜひ手に取ってください。

【2008年12月10日追記】
次回の「千金寄席」は、年が明けた1月16日です。
詳しくは→こちらをクリック←。
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