いつもとはひと味違った陶芸の旅
歌舞伎や芝居を見たり、映画に行ったり、落語を聞いたり、そういう趣味はあるけども、いわゆるエンターテインメントは物理的にも精神的にもすぐ近くにあるということもあって、「非日常的空間としての趣味」という感じではない。
僕にとって唯一といえる非日常的な趣味といえば陶芸だ。
ま、年に数回しかやってないから、趣味といえるかどうか微妙なところだが……。

6月の初旬だったか、友人の婚約者でイギリス人のスティーブが日本に滞在していたんだけども、彼女が仕事に出ている昼間、何もすることがなく暇だと言うので、スティーブを陶芸に誘ってみたところ、「行こう!」ということになり、益子で馴染みの窯元のところで陶芸をしてきた。
で、出来あがって届いた器が写真の通り。
35cmの大きめの皿と、1合半ほどの徳利。
皿の方は今一つの出来。3月にも大皿を作ったんだけど、この時は気合いを入れていたこともあって満足のいく仕上りだったが、今回は少し不出来だった。
徳利の方は、別に作るつもりじゃなかったんだが、その割にはまぁまぁか。薬を中面だけにして、外側を素焼きにした器を作ってみたかったので、けっして上手い仕上りとはいえないが、いい実験になった。
そもそも、スティーブが花瓶を作ってみたいと言いだし、僕はいつも、皿、茶碗、ビールグラスしか作らないものだから、彼と一緒に窯元のお兄さんに教わったものの、やっぱり花瓶はいらないので、最後に口だけを徳利にしたのだった。といっても酒もやめてしまった僕には、やはり無用なので焼かないで潰そうとも思ったが、これから夏になるので、そばつゆ入れにでもしてみようと思う。
金や時間がかかることもあって、陶芸を日常的な趣味にはできないが、やっぱりそろそろ本格的な趣味にしたいなぁ、と思う今日この頃。
スティーブは、陶芸に行った3日後にイギリスに帰ってしまった。
僕は英語がからっきししゃべれないのだけども、彼は日本に長期滞在していたこともあるので、どうしても説明できない時は電子辞書を使いながら、おおよその会話は成立する。
イギリス映画のこと、浅草や東京の下町のこと、日本やイギリスの古い文化についてなど、移動の車中や食事の間はかなり二人で盛り上がった。
英語がしゃべれないどころか、外国旅行すらしたこともない僕が、イギリス人と二人きりで一日を過ごすことだけでも、非日常的なこと。とても楽しい一日旅だった。
スティーブの作った作品も届いているが、これは明日、スティーブの婚約者である友人と一緒に封を開けてお披露目することになっている。
はたして、彼の初体験の陶芸は、どんな仕上りになっているだろうか……。
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