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老いてなお持つ恋心(映画「二人日和」を観て)

今年の春、京都にて「Turn over 天使は自転車に乗って」というタイトルで公開された作品が、東京で「二人日和」というタイトルに変更されて公開されることとなった。
藤村志保、栗塚旭という渋いキャスティングだ。

改題されたタイトルと、このキャスティング、そして京都の市井の夫婦の話を聞けば、ゆったりとした落ち着いた映画であろうと想像する。
その通りの作品だ。

*  *  *  *  *  *  *

十八代続く神祇装束司の夫——
「今までいろんなものが通り過ぎていきおったけど、何が残るんだっしゃろなぁ」
余計なことは口にせず、職人として誠実に生きてきた。

不二の病を患う妻——
「かまわんといて。自分で食べんと、おいしゅうない」
そう言いながら夫の助けを借りる。少し意地っ張りで愛嬌がある。

そんな子どものいない二人きりの老夫婦が、妻の看病を通して、数十年一緒にいた互いの気持ちを確かめ合う物語。

*  *  *  *  *  *  *

恋愛映画を観るときに、感情移入しやすいよう、自分の年代に合う作品を探すのは当たり前だ。僕は30代なので、感情移入しやすい恋愛映画を探すのに、まだまだ困ることはない。
そうして恋愛映画を観ていると、今の自分の気持ちを重ね合わせたくなる作品に出合うことがある。
そんなときは現実世界に戻って、大切な人への自分の気持ちを、もう一度相手に伝えたくなる。

では、自分が人生の終盤にさしかかった歳になったとき、そんな映画に出合うことが出来るだろうか? 僕はその時でも、大切な人と手を繋いで、互いの気持ちを確かめ合うことが出来ているだろうか?

「この曲、なんていう曲やったろうか?」
「さぁ、なんやったかなぁ?」
「もう、分かってはるくせにぃ」

互いに気持ちの分かり合っている、老いてなお恋心を持つ夫婦の会話である。

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【作品名】二人日和('04/日本/111分)
【監督・脚本】野村恵一
【共同脚本】小笠原恭子/山田力志/山田哲夫
【出演】藤村志保/栗塚旭/賀集利樹/山内明日
【公式サイト】http://turnover.main.jp/
【公開】2005年11月26日、岩波ホールにてロードショー公開

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