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遠い昔、遥か彼方の銀河系で(映画「スター・ウォーズ エピソード3」)

いよいよ、『スター・ウォーズ』の季節がやってきた。
僕が小学5年生の時にスター・ウォーズ・サーガに出合ってからおよそ27年、平均すれば約5年に一度の季節の到来だ。

5年に1度といえば、サッカーのW杯やオリンピックやアメリカ大統領選挙よりもスパンが長い。この『EPISODE III』(以降、EPISODEはepi-と略す)は、前作『epi-II』から3年とはいえ、実際には『epi-VI』が「ジェダイの復讐」というサブタイトルで公開された1983年から待たされたわけだから、22年間待たされたまさに「待望」の作品である。

小学校に入る前から、映画好きだった母親に連れられて映画館通いをしていた僕と兄貴。小学生の時から映画雑誌を愛読していた兄貴は、中学生になり立派な映画オタクになっていた。その兄貴が雑誌から得た情報のおこぼれを頂戴し、兄貴と二人で公開前から楽しみにしていた『epi-IV』。思えば僕はいつも、まだ見ぬスター・ウォーズを楽しみに待ち続けていた。
当時の最新システムの巨大スクリーンとドルビサラウンドの環境を揃えた新宿プラザで、いきなり訳も分からない字幕を読まされたと思ったら突然、スクリーンに映された宇宙空間から宇宙船スター・デストロイヤーが現れた。今の人には信じられないほど、当時は宇宙というものが遠い存在だったのに、まるで本当に宇宙に行って撮影してきたのではないかと思えるほどの迫力。この衝撃は今も忘れられない。この時から、僕はもうスター・ウォーズ・サーガに巻き込まれ続けている。否、スター・ウォーズだけでなく、その後今まで続く僕と映画との関わりにとって、なくてはならない出合いだったのだ。

そのスター・ウォーズ・サーガの最新作『epi-III』が、いよいよ日本のスクリーンに登場することになった。

昨日の夜から落ち着かない。朝は意味もなく5時に起きてしまった。しかし、一緒に行く予定だった知人が急遽来られなくなったおかげで、少し冷静になれた。会場に入って愛すべきキャラクターたちがそこら中で写メールの撮影に付き合っているのをみても、興奮しすぎることがなく落ち着いている。
それでも、いざ開始を知らせる劇場のブザーが鳴り、開場全体の興奮が伝わってくると、もう我慢できなくなった。

お馴染みのファンファーレととともに、20世紀FOXのロゴ、ルーカス・フィルムのロゴが現れた。拍手と歓声がわき起こり、二十数年に渡る待望の最終話が始まった……

*  *  *  *  *  *  *

ハッキリ言って、全体的に雑すぎる。
『epi-IV』から続くいくつもの謎を解決しなくてはいけないために、ストーリーは散漫している。
そのわりに説明不足で、もっとも重要な、アナキンがダークサイドへと堕ちる瞬間なんて、驚くほどあっけない。
また、ありとあらゆるディテールが甘すぎて、今どきのSFとしてはあり得ないことだらけ。
たしかに映像や音響は迫力ある(会場の国際フォーラムは、現在の日本ではかなり最新システムだ)が、78年当時のように、作品全体の質を補って余りあるほどのものではない。
一連の全作品と比較して、完成度はけっして高いとは言えない。

しかぁぁぁぁしぃ、そんなことはどうでもいい!

とにかくスター・ウォーズなのだ。
仮にルーカスが『epi-VII』を作る気になっても、あと何年も先になることを考えれば、暫くは触れることの出来ない最新スター・ウォーズ・サーガが目の前にあるだけで、もうどうでもいいのだ。
もしルーカスに文句を言うなら、「ルーク、レイア、R2、3PO、チューバッカ、ボバなどの『旧3部作』キャラクターたちを出すなら、俺の愛するハン・ソロも出しやがれ〜!」ってことくらいだ(ちなみに、ミレニアム・ファルコン号らしき船はちらりと映る)。

とにかく、僕を30年ちかく楽しませ続けてくれ、僕に映画の素晴らしさを気が付かせてくれ、僕の人生に大きな影響を与えてくれた「スター・ウォーズ」。その言葉を聞くだけでパブロフの犬のように興奮している僕なのだ。

*  *  *  *  *  *  *

もともと全9話を、中3作(旧三部作)→前3作(新三部作)→後1作(3話分を1作で制作予定)の順番で公開されることになっていたスター・ウォーズ・サーガだが、近年のルーカスのインタビューでは、後1作は作らないことにしたようだ。年齢的なものなのか、体力的なものなのか、モチベーションの問題か、はたまた単なる宣伝文句か、その真意は僕には分からない。とにかく一応、これで一区切りとなってしまったことに寂しさは感じる。

しかし、僕にとってスター・ウォーズ・サーガは永遠に続くもの。
僕が夜空を見上げるときはいつでも、R2と3POが宇宙のどこかでくだらない口喧嘩をしているに違いない。


遠い昔        
遥か彼方の銀河系で……

Cb050618

【作品名】スター・ウォーズ
      エピソード3/シスの復讐
      (STAR WARS:
       EPISODE 3 Revenge of the Sith/
       '05/アメリカ/141分)
【公式サイト】http://www.starwarsjapan.com/
【監督・脚本・製作総指揮】ジョージ・ルーカス
【制作】リック・マッカラム
   (最近のルーカスの右腕的存在。試写で挨拶してた)
【撮影監督】デイビッド・タッタソール
   (新三部作はすべてこの人が撮影監督)
【サウンド・デザイン】ベン・バート
   (R2の声も、ライトセーバーの音も、この人が作った)
【衣装デザイン】トリシャ・ビガー
   (『epi-I』のパドメの衣装は圧巻の一言!)
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
   (この人の曲を一つも知らない人なんて少ないだろう)
【アニメーション監督】ロブ・コールマン
   (CGヨーダはこの人の力作!)
【視覚効果スーパーバイザー】ジョン・ノール
   (僕が毎日使うAdobe Photoshopを設計した人)
【出演】オビ=ワン:ユアン・マクレガー
    (演技力は微妙だが、ギネスの癖はバッチリ)
    パドメ:ナタリー・ポートマン
    (『レオン』の時から大好きさ)
    アナキン:ヘイデン・クリステンセン
    (いずれ「懐かしのあの人」になってしまうのか)
    ドゥークー伯爵:クリストファー・リー
    (言わずとしれた名優)
    ウインドゥ:サミュエル・L・ジャクソン
    (最後までよく分からないキャラだった)
    ヨーダ:フランク・オズ
    (最近では「ステップフォード・ワイフ」を監督)
    シディアス卿:イアン・マクダーミド
    (お馴染みの憎き皇帝。もちろんパルパティーンも)
    C-3PO:アンソニー・ダニエルズ
    (27年前からずっと3PO。「そ、そんな〜」)
    R2-D2:ケニーベイカー
    (この人も27年前からR2。もっとも愛されたキャラ)
    チューバッカ:ピーター・メイヒュー
    (新三部作初登場も、やはりこの人も27年前から)

【個人的評価】★★★★★★★★★☆
【全6作の相対評価の順位】
  1位 EPISODE IV『新たなる希望』
  2位 EPISODE V『帝国の逆襲』
  3位 EPISODE II『クローンの攻撃』
  4位 EPISODE III『シスの復讐』
  5位 EPISODE VI『ジェダイの帰還』
  6位 EPISODE I『ファントム・メナス』

追記:
これを書いたあとに、翻訳家・岡枝慎二氏が先月なくなったことを知った。旧三部作の劇場公開当時の翻訳を担当されていた。1978年に初めて『スター・ウォーズ』が公開されたとき、「Fose フォース」を「理力」と訳し、英語に馴染みのない日本人に理解させた人物だ。ご冥福をお祈りします。


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