何も考えずに笑っておこう(映画「魁!!クロマティ高校」を観て)
週刊少年マガジンで連載中である野中英次原作のマンガ「魁!!クロマティ高校」が映画化された。
最初に言っておくが、原作マンガに強烈な思い入れがある人にはお薦めしない。
「ぜってーあの世界観は実写じゃ無理だよ〜」と思いながらも、ついついわずかな期待にかけてしまうものだが、基本的に、マンガはマンガ、映画は映画である。昨年公開された「デビルマン」を観て気が狂わんばかりに激怒したような人は、夜中にマンガ喫茶に行って1000円で原作を読破する方がいいだろ。
ということで、1時間半を気軽に笑いたい人にお薦めする作品である。
“原作に強烈に思い入れのある人”は笑えなくとも、“普通のクロ高ファン”なら笑いどころは満載である。とはいえ、こういうギャグ映画は、あまり期待しても肩すかしになってしまうだろうから、内容について細かく書くことは控えておこう。
原作を知らないと笑えないかと言えば、そんなこともない。
原作のマンガは、絶妙なパロディと脱力感のある笑いで展開する作品だ。本来パロディーのギャグはその元ネタを知っているからこそ面白いのだが、このマンガに限っては程良い脱力感が効を奏してか、元ネタを知らない人もファンになってしまうという不思議な現象を生みだしている。
そんな原作が元ネタとなっているこの映画は、「クロ高」なんてまったく知らなくとも、きっと、「スペクトルマン」のゴリやラーが出てくれば笑ってしまうだろうし、遠藤憲一と高地東生の「プータン」に思わず吹き出してしまうのだ。
“普通のクロ高ファン”である僕としては、主人公である神山(須賀貴匡)と、最高のキャラであるメカ沢(声・武田真治)が、かなり忠実に実写化されていたのがうれしい。
上映の1時間半、5分と開かずに試写会場に笑い声が溢れていたことも、評価の参考としてもらえればと思う。
【作品名】魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE
('05/日本/85分)
【監督】山口雄大 【原作】野中英次
【脚本】増本庄一郎 【構成】板尾創路
【出演】須賀貴匡 虎牙光揮 山本浩司 渡辺裕之
高山善廣 板尾創路 金子昇 島根さだよし
ロバート 増本庄一郎 遠藤憲一 高知東生
津田寛治 坂口拓 武田真治 かないみか
小林清志 阿藤快 他
【公式サイト】http://www.kurokou.com/
| 固定リンク
「e.娯楽観想」カテゴリの記事
- 還暦過ぎても感じさせる「現役感」……「唄の市」を観て(2010.01.30)
- 今年最後のあいさつと「唄の市」(2009.12.31)
- 人と金と時間の無駄遣い(映画『沈まぬ太陽』を観て)(2009.11.08)
- 「浅草演芸祭」が開かれる(2009.08.19)
- いま改めて聴き直して(2009.07.10)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント