調布あなどれず(再見!マルコ・ポーロ『東方見聞録』とシルクロード)
先日、所用で調布までいったところ、通りかかった調布文化会館で「再見!マルコ・ポーロ『東方見聞録』とシルクロード」なる写真展をやっていたので、ふと立ち寄ってみた。

まったく期待していないで入ったのだが、すばらしい写真にたくさん出合うことができて、思わぬ幸せな一時だった。平日の昼間のせいか、他に客がいなかったので落ち着いて観られたこともよかったのかもしれない。
月並みな言葉だが、自然の圧倒的な迫力と、そこに住む人たちによる文化のすばらしさ、そして自然と共存する人間の営みを観ることができた。
10代の頃行ってみたいと思っていた海外が、車で何日もかけて走り抜けるシルクロードの旅だった。とくに理由はなかったんだけど、想像の中に広がるシルクロードのスケール感に、漠然とした希望と自分自身のエネルギーみたいなものを感じていた。
結局は、シルクロードどころか海外に一度も行かずにこの歳になってしまった。せっかく海外に行ったことがない希少種なのでこのまま死ぬまで行かずにおこうと思うが、若い頃にシルクロードに行かなかったことだけは、少しばかり後悔している。
そんな僕は、優れた才能とそれを具現化するメディア(写真、映像、文章)によって、海外に行かなくてもそのすばらしさをちょっとだけ享受させてもらっている。
今はそれだけで満足しておこう。
【追記】
前から感じていたが調布の文化イベントは、ちょっと面白い。毎年行われている「調布映画祭」もいくつかのプログラムの中で、必ず渋いラインナップが見られる。今年も「竜馬暗殺」「書を捨て街を出よう」などの邦画を上映していたし、昨年はフェリーニの「道」が上映されていた。平日にわざわざフェリーニを観に行く奴が調布にどれほどいるのか?と思いつつ、僕も行くことができなかったので、その実態は分からない。
大きなイベントでは、お隣の府中市に持って行かれている調布だが、小さなイベントは侮れない企画がけっこうあるので、これから、調布市文化・コミュニティ振興財団の渋〜〜い企画マンに期待しよう。
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